長保有紀 演歌三昧~火縁・城ヶ島雨情~

長保有紀 長保有紀 演歌三昧~火縁・城ヶ島雨情~歌詞
1.火縁

作詞:峰崎林二郎
作曲:中村典正

あなたとわたしの 縁(えにし)をひねり
炭にくべれば 炎と燃える
そうよふたりは 火の縁
燃えて燃えて
窓に降りつむ 雪より白い
灰になるまで 愛したい

出逢った時から その身を焦がす
ほたるみたいな 二人の運命(さだめ)
そうよふたりは 火の縁
青く青く
惚れたあなたと いのちを燃やし
燃やし尽くして 愛したい

燃えてはやせてく さくらの炭を
ふたり似てると あなたが笑う
そうよふたりは 火の縁
熱く熱く
ともに花咲き 夢見たいのち
全て忘れて 愛したい


2.龍飛崎

作詞:鈴木紀代
作曲:中村典正

私の心に棲(す)みついた
あなたとさよなら する旅路
青森駅から 外ヶ浜
海岸づたいに たどる道
ヒュルル ヒュルヒュル 頬を打つ
ここは龍飛崎 風岬

三百六十二段行く
階段国道 乱れ足
泣いても戻らぬ 恋だから
せつない想い出 忘れ旅
ヒュルル ヒュルヒュル ちぎれ雲
ここは龍飛崎 冬隣り

山あり海あり夕日あり
ないのはあなたの 背中だけ
最後に残った 一粒の
涙の捨て場を 探してる
ヒュルル ヒュルヒュル 恋よ散れ
ここは龍飛崎 北の果て


3.雪国紅葉

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

残る未練を 捨てるため
女ひとりの 旅の宿
冬がひと足 早いから
もう散り急ぐ 雪国紅葉
二人の恋を 見るようで
片頬濡らす ひとしずく

心変わりを 責めるより
尽くし足りなさ 悔やみたい
湯冷めしそうな 洗い髪
たたずむ窓に 雪国紅葉
憎んだはずの あの人の
面影胸に また浮かぶ

何度 寝返り 打ったやら
眠れないまま 宿の朝
昨夜(ゆうべ)降ったか 淡雪が
紅の葉隠(か)くす 雪国紅葉
想い出埋めて 明日から
出直すつもり 辛くても


4.木曽路の雨

作詞:鈴木紀代
作曲:中村典正

話し上手で 聞き上手
別れ上手な 男(ひと)でした
薄(うす)くれないの 恋椿(こいつばき)
春を待たずに なぜ散り急ぐ
木曽路は 雨 雨
私を泣かす 涙雨

あなた忘れの 旅に来て
あなたばかりを 想い出す
夕暮れ近い 石畳(いしだたみ)
窓の格子(こうし)に 灯(あか)りがともる
木曽路は 雨 雨
馬籠(まごめ)の宿(しゅく)は こぬか雨

ひとり淋しく 見上げれば
男滝(おだき)女滝(めだき)の 水しぶき
薄日(うすび)が胸に 差す頃に
越えて行きたい 十曲峠(じっきょくとうげ)
木曽路は 雨 雨
心をぬらす しのび雨


5.風待港

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

船は千来る万来る中で
貴方の船をこころ待ち
もしも港に戻ったならば
嵐よ止むなしばらくは
時化の間はとも網解かぬ
女は男の風待港

冷えていたなら温めてあげる
添い寝の肌で夜明けまで
酒は人肌呑ませてあげる
命の水を好きなだけ
尽くすことなら誰にも負けぬ
私は貴方の風待港

離れたくない心を知らず
いつしか凪の空模様
次はいつかと貴方に問えば
天気に聞けと憎い口
船は出て行く鴎は残る
女は男の風待港


6.城ヶ島雨情

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

好きで別れた 人ゆえに
いまも消せない 面影を
利久(りきゅう)ねずみの
雨は女の なみだ雨
愛に引かれて 想い出を
ひとり訪ねる 城ヶ島

たとえ再び 逢えたとて
過ぎた月日は 戻らない
蛇の目持つ手の
指輪重たい くすり指
女ごころの 切なさを
知るや相模の 浜千鳥

傘をさしても 心まで
濡らす三崎の 磯しぐれ
辛いけれども
雨で消したい 未練火を
舟が出て行く 通り矢の
はなも日暮れる 城ヶ島


7.酔化粧


8.花筏

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

川に舞い散る 桜の花が
寄り添いながら 流れてく
あなたとこのまま
乗って逃げたい 花筏(はないかだ)
叶わぬ願いと 承知のはずが
無理を言いたい 女なら

愛し合っても 世間の風は
二人にゃつらい 向かい風
もしやに賭けてた
女ごころの 渡し舟
人目の届かぬ はるかな岸へ
なんで渡さぬ 花の舟

七日(なぬか)桜と
呼ばれるけれど
春来るたびに
また開く
あなたと見るのは
今年かぎりの 花筏
この手に触れても 掴めぬ夢を
載せて見送る 別れ橋


9.玄界情話

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

酒と度胸じゃ 負けない人も
芯はやさしい お人好し
強いだけなら 松五郎さんに
なんで子供が 馴付きましょう
ねじり鉢巻 母子を乗せて
今日も韋駄天(いだてん) 人力車

やっさやれやれ 掛け声ひびく
小倉祇園は 太鼓山車
あれは私と 子供のために
叩くつもりか 撥さばき
鬼も恐れる 無法と言うが
いいえ 仏の 男伊達

女なりゃこそ 心に沁みる
熱い男の 眼差しは
恋も叶わぬ 母の身ならば
気付きながらも 知らぬ振り
祇園太鼓も 私の耳に
泣いて聴こえる 乱れ打ち


10.越後海道

作詞:木下龍太郎
作曲:中村典正

こころ残して 身を引く恋は
いつの日消える なみだ跡
越後海道…
寄せる荒波 日本海
袖に舞い散る 飛沫(しぶき)を逃げて
ひとり荒磯(ありそ)を 急ぎ足

もしも幸せ 望んだならば
誰かがきっと 陰で泣く
女なりゃこそ…
判る女の 哀しさが
風に切れ切れ 門付け三昧の
音が罪ある 胸を打つ

違う生き方 見付けるための
女の旅は いつ終る
越後海道…
前は荒海 日本海
思い切れずに 振り向くたびに
弱さ叱るか 潮鳴りも


11.私やっぱり女です

作詞:鈴木紀代
作曲:中村典正

恋もしました 泣きもした
私いろいろ ありました
今はもう 今はもう
過ぎたことです 何もかも
想い出だけじゃ 生きれない
私やっぱり 女です

未練一つに まどわされ
後ろばかりを 見ていたわ
いつの日か いつの日か
めぐり逢いたい いい男(ひと)に
短く髪も 切りました
私つくづく 女です

赤く咲く花 白い花
胸に咲かせる 愛の花
もう一度 もう一度
私倖せ 欲しいです
明日があるわ 夢がある
私まだまだ 女です


12.惚の字傘

作詞:水木れいじ
作曲:岡千秋

しょせん憂き世はからくり芝居
根無し金無してんてん流転
野暮は承知で芯から惚れて
尽くす女の心意気・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘

口や世渡り下手でもいいの
さあさ飲もうよ情けの酒を
いつか世に出て男になれる
それはあなたの眸でわかる・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘

耐えて一年追われて二年
誰か浮く時ゃ待とうよ春を
死ぬも生きるもふたりと決めて
ついて行きますどこまでも・・・
演歌だね演歌だね演歌だ演歌だ演歌だね
あんたに惚の字傘


13.清水湊の女

作詞:鈴木紀代
作曲:宮下健治

男が一人に 女が二人
うまく行くはず ありません
恋むらさきに 咲くりんどうが
彩をなくして 散ってゆく
想い断ち切る ひとり旅
清水湊に 清水湊に 雪が降る

はぐれて行きたや 未練な恋と
浮かれ鴎に 割り台詞
当てもないまま 街道行けば
風の間に間に 茶の香り
うしろ髪ひく 鎌ヶ崎
波のしぶきが 波のしぶきが 又ゆれる

淋しさまぎらす 灯台あかり
出船入船 夜が明ける
朝霧かすむ 三保松原は
泣いた涙の 吹きだまり
忘れられない 名を呼べば
清水湊に 清水湊に 雪が降る


14.虞美人草

作詞:鳥井実
作曲:深谷昭

今でも時々 夢にみて
逢いたくなります 別れた人に
指で思い出 まさぐりながら
今夜も淋しい
花に唇 花に唇 欲しい夜

あなたのささやき もう一度
きれいになったと
云われて見たい
夢の続きを 抱きしめながら
女のため息 虞美人草も
濡れて哀しい 濡れて哀しい
しのび泣き

忘れるつもりの 恋なのに
心のどこかに 迷いが残る
女ですもの 流れるままに
いくつも恋して 虞美人草の
花と一緒に 花と一緒に
散りたいの


15.谷瀬の吊り橋

作詞:鈴木紀代
作曲:中村典正

すがりついても この橋を
渡りたかった 渡れなかった
谷瀬の吊り橋 ゆらゆらゆれて
あなたと私に かかる橋
諦めきれず もう一度
ここへ来ました 来ました 熊野川

五条駅から 路線バス
山また山の 天辻(てんつじ)峠
南へ南へ くねくね行けば
あなたを見たさに はやる胸
川底見れば すくむ足
風もつめたい つめたい 熊野川

たどり着いたら この肩を
やさしく抱いて くれるでしょうか
谷瀬の吊り橋 ゆらゆらゆれて
後ろを向いても 戻れない
近くて遠い 向こう岸
どこへ流れる 流れる 熊野川


16.あんたの艶歌

作詞:板橋雅弘
作曲:浜圭介

俄かの雨に ひとつ傘
あんたに余計 差し向ける
惚れられてから 惚れてみた
だけどいまでは 首ったけ
煮てもいんだし 焼いてもいいさ
あんたの色に 染まってみたい

一人がいいと うそぶいた
私の肩を 抱き寄せる
冷たいくせに あったかい
お酒みたいな 人だから
泣いた昔も 忘れるほどに
あんたの胸で 酔わせて欲しい

ひと雨去って 宵の月
明日の風は どこへ吹く
信じてみたい 信じてる
これが最後の 運命(さだめ)だと
生きる憂さまで 道づれにして
ふたりの花を 咲かせて欲しい